またまた通訳とは関係ありませんが、昔話を1つさせていただきます。
もう他界しておりますが、私の父は警察官でした、定年の時は階級が警視正で役職は警察学校の校長でした。旧制中学卒のノンキャリア採用でそこまで出世すれば上出来ではなかったかと思います。自分の親にこんな言い方するのはちょっとアレかもしれませんが、父は、自分は人より頭が良いと思っていた節がありまして、他人を見下す感じがありました。自分の子供(私のことです)に対しても同様です(笑)
実は私は小学校の成績はかなり良い方でした。しかし、私が100点を取ろうが何しようが、褒められることはほとんどなく、ちょっと何かを間違えると「そんなこともできんのか?ばか!」と叱られることの方が多かったです。
極めつけは、私が小学3年生のとき、夏休みの宿題の工作でゼンマイ仕掛けで動く人形を作りました。そのころから工作が大好きでいろんな機械を分解したり、変なもの作ってみたりしていたのです(笑)もちろん見た目はいまいちですが、まあ小学生が作るものですからそんなもんです。でも3年生でゼンマイで動く人形を作る生徒はあんまりいません、動くだけでも立派なもんだと思うのですが。。。 しかし、父は「こんなんじゃ全然ダメじゃ!」と文句を言うだけでは気が済まず、私から取り上げて、勝手に自分で作り直してしまい、誰がどう見ても大人が作った作品になってしまったことがありました。あれを学校に持っていくのはつらかった😢
まあ本人には悪気はないんですよね。とにかくなんでも自分の方がうまいと思っているわけです。子供相手に大人げない話です(笑)
さて、そんな父ですので、「俺はなんでも知っている!」という態度なのです。もちろん知らないこともあるわけです。しかし知らないとは言えないのか、よせばいいのに「知ったかぶり」をしてしまい墓穴を掘ってしまうわけです。
ある日、親戚が10人くらい集まっての会食がありました。田舎の親戚の集まりですので、昼間っから酒飲んで、どうでもいい話をワーワーやっているだけです。当時、私は高校1年くらいだったような気がします。親戚のおじさんたちの会話の輪に入れるわけもなく、私は、ボーっと話を聞いていました。
どういう流れなのかわかりませんが、突然、父が、ソウルミュージックについて語りだしました。「ソウルミュージックというのはねえー なんとかかんとかなんじゃー」とソウルミュージックとは何なのかを説明し始めた様子。みんなが「へえー そうなんかね、そりゃあ知らんかったわー」と聞き入っています。私は「え?なんでソウルミュージック?そんなのオトンが知っとるわけがないが」と思いながら聞いていました。そのころは若者の間でアース・ウィンド・アンド・ファイアー とか流行ってたから、それでソウルミュージックの話になったのかもしれません。が、父が聞く音楽と言えば演歌なのになぜソウルミュージック? 話は続いて、今度は「やっぱり発祥は韓国じゃけえのう、」とか言い出しました。「え?? ソウルミュージックが韓国??」を謎がなぞを呼ぶ展開に(笑)
勘のいい読者の方はもうお気づきかもしれません。ソウルと言えば韓国ですよ(笑)ソウルミュージックは韓国の音楽と思い込んでいたようです。しかも、それを親戚の皆さんに堂々とうんちくを披露するという赤っ恥なシチュエーションに私は一人で、悶絶しておりました(笑)「ソウルミュージックのソウルはSoulで、韓国のソウルはSeoulじゃー!」と割って入りたいのを必死に我慢しました。
今となってはいい思い出です。父を見習って、知ったかぶりをしないように日々気をつけております。わからないときはわかりません!と言いましょう(笑)

 
 
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